使っていて気持ち良くないペンはいらない。
このペンはいいものだ。まずこの見た目が素晴らしい。イタリアメーカーの製品であり、独特の色気を感じるものである。安くて綺麗なものは素晴らしいが、高くて綺麗なものはより素晴らしい。使っている時の緊張感が違う。そして、この緊張感はストレス系の緊張感ではなく、楽しい系の緊張感である事が重要である。
さて、センスの話になるのだが、色々細かいことに気を付けているメーカーだと思う。僕が所有しているのは「青軸」。この「青軸」ラインナップの中で金トリム(真ん中のわっか等の部分とか)、銀トリムの2種類がラインナップとしてあるのだが(※この記事時点では青軸だけの特権)、ペン先の色もちゃんと合わせて2種類あるんですよね。トリムが銀でペン先が金というのは、いまいち統一感に欠ける仕様だと思うので、こういう心遣いは流石だと思う。あと、おっさん臭さのド本命たる「丸玉クリップ」で逆に凄まじいお洒落感を出せているのがすごい。この曲線見ておっさん臭いとだれが思うのか?同じ題材でも見せ方次第で印象が全く変わってくるという良い見本だと思う。あと、この「丸玉クリップ」ゆえに金トリムが良く映えると思ってる。
他に銀トリムの万年筆を持っていたから、という事もあり、金トリムにしたのだが、実は後々の事も考えての金トリムであり、赤軸が銀トリムしかないからというのも一因だったりする。――――――――色違いで買うつもり?
TV「俺のダンディズム」でも紹介があったとの事で、そこで出てたのは青軸の銀トリムという、相当すっきりした見た目のものですね。このペン、軸の押し出しが強い(派手)だから、トリムで抑えてバランスを取ろうという気持ちかな(妄想)?は、良くわかるのですが、実際使ってみて、「派手軸×金」という派手派手コンビでも相当スタイリッシュかつお洒落にまとまるので、僕は絶対金トリム押し。そもそも「高級万年筆を使っている感」を味わうが故に買ったというのが動機なので、テンションの上がる組み合わせのほうが好みだ。こんだけ派手な組み合わせでも成金っぽくならないのは、このベスト型の両端が黒色で締められているからだと思う。ここが同色のアウロロイドだとしたら、かなりくどい見た目になり、恐らく、僕が買うことは無かったと思う。
良く欠点として挙げられる通称ラーメンマーク「グレカ・パターン」ですが!買う前は相当気になりましたが買って、しばらく使っているとこれはこれで悪くないなぁ、って思うようになってきつつ、最近ではこのマークがあるのが良いという域に達したため、これで二の足踏んでいる人は参考にしていただきたい。ちなみに、年代によってこのトリム部分の意匠が異なるので、探してみるのも面白いかも。
書き味はもうがっちがち。超固め。バリカタ。良し悪し的な意味合いではなく、個性(キャラクター)としての固め。俗にいうガチニブというやつである。それでいて、サリサリ感がある。ペンクリニックで川口先生に調整いただいてのコレであり、他の人のレビューとか見ててもそうなので、万年筆にふわふわ、柔らかな書き味を求める人には向かないと思う。けれども、あまり柔らかすぎても、特に僕のような初心者は疲れてしまうので、本当に好みの問題。逆に、速記したりする癖があるのなら、この硬さは強力なメリットになる。自社でペン先を作っているメーカーなので、独特と言っても良い書き味となる。好き嫌いの話になってくるので、試筆してみると楽しいと思う。軸買いしても良いレベルの1本だと思うけどね。他にかわりがないし。
使用頻度は高め。といっても、これは入れているインクがブルーブラック(ラミーのボトル)だからであろう。僕はもともとボールペンも青派なので。字幅もEF(極細)なので、ビジネス用途だとほぼオールマイティに使えるしで、意識しなくても使うレベルの使用頻度となる。この青軸からブルーブラックのインクが出てくる&インク窓から覗く濃青・・・・・・なんてかっこいいんだ!!!!!ちなみにインク窓は透明なので、吸わせたインクの色そのものが楽しめます。明るい色のインクとか入れたら格好良さそうだ。あとは気分をアゲたいときに使うのもこいつ。なので現状、ペンケースから外す事は考えられない。ちなみにこのペン、キャップのアウロロイド部分に直接ねじ切りがしてあるので、構造的にもろい気がする。注意していれば問題ないレベルではあるが。だけれども念のため、なるべくゆるくキャップを締めるように心がけている。なんせキャップだけで国産の金ペンが1~2本買える値段がするんでな、ねじ切り部分なめたら泣いてしまう・・・・・・そういう乾燥対策的な意味でも使用頻度は高くなくてはならない。
機能について。筆記関連機能は十全って感じ。流石に長いことペン作り続けているメーカーだけあって、基本性能は折り紙つきか。特にペンクリニック後は快調そのもの。書き出しからのインク切れもなく、書いている最中もよっぽど無理しなければスキップしない。他の機能面は普通の吸入式という感じ。独自機能にリザーブタンクシステムがあるが、僕自身、インクの残量をまめにチェックする人なので、活躍の機会がなく、これの良し悪しがよくわかんない。むしろ、洗浄の邪魔(水が残る)とすら思う。というか、リザーブタンクシステムって、不意のインク切れ防止のシステムでしょ?インク小分けにして持っていくとか、ペン自体を複数持つとか、インク残量のチェックをまめにするなど、機能自体が不要になる対策が多いので、はっきり言って微妙。何の為のインク窓かと。まー、有って損する機能じゃないから良いんだけどもねー。いつかどこかで輝く日が来るのであろうか。
そう思っていた時期が僕にもありました。
前提が間違っている。考えかたが間違っている。リザーブタンクシステム、これ機能じゃない。装飾だ。「書けない万年筆は格好悪い」という精神に基づく装飾だ。万年筆を使っている最中に発生する最悪の事態、インク切れ。ため息とともに作業を中断し、インクつぼを探し、取り出し、吸入させる。インクが吸入できる環境なら良いが、そうとも限らない。周りに人が居ればちょっと恥ずかしい瞬間でもある。その瞬間を、ちょっとした「ショー」に変換する。手元に集まる視線、優雅に尻軸へと向かう指先、回転する尻軸と連動して降りてくる同システムがインク窓から見える瞬間、ショーは最高潮に達する―――――――
そして、多分インク窓も装飾だ。オプティマの中にたゆたうインクを「魅せる」ための装飾装置だ。徹頭徹尾、計算された美しさがそこにある!これもう変態の域だな。ここまで「格好良さ」を極めているペンが他にあるだろうか?軸本体、機能、装飾、その全てが「格好良さ」に通ずる変態的なこだわりを持つペンが―――――――
読み返したらほぼ見た目の話だな。それだけ魅力的な見た目なんだよ。うん。全体として、早いタイミングで入手しておいてよかったと思っている。未だに、万年筆のカタログとか見てても一番良いと思う青軸だし。見た目買いして損しない逸品であると思います。
なんで今回突然こんな記事を書いたかというとだね、いやね、別に万年筆を増やすつもりはないんだよ?つもりはないんだけど、何というか、いいなーって思うペンがあってだね?いや、別に増やさないよ?増やさないけど、ペンケースに3本しか入らないからね?まぁ、定期的なモノの見直しは必要だよねってね。買わないよ?今持っている3本はそれぞれちゃんと役割があって、補完しあっているしね。でも、もしも、もしもだよ?新しいの買ったらどれか外さなくてはならないじゃない?使わないと乾燥しちゃうしね。洗っておけばいいんだけども。あっ、4本入るペンケース?それは悪の道だよ?良くないよ?だいたいさ・・・・・・
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