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初心者向け万年筆買い方完全ガイド!絶対に失敗しないおすすめの買い方をブランド別に解説します!【はじめての万年筆】

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 趣味性の高い「万年筆」を普通のサラリーマンが仕事で使いながら楽しむには、どういうふうに考えて、何を買えばよいのか? 解説します!

 

 

 万年筆「初心者」とは?

対象者

 趣味として、万年筆に興味があるのですが、情報が多すぎて何を選んだら良いのか迷ってしまう方に対して、具体的にこのエントリで紹介する考え方で、この通りに買えば大丈夫!という例を提示する趣旨です。なので、万年筆自体の構造や仕様はあまり深く解説しません。

 

ファッションとしての万年筆

  重要な事として、この記事での万年筆の扱いを説明します。この記事では実用道具としての万年筆の比率を低くしています。どういうことか。いわゆる「書き味」などは好みや感覚によるところが大きく、経験しないと理解できない項目だからです。また、利便性ではボールペンには敵いません。これは何故ボールペンが作られたかを考えれば明らかです。特に会社で使う文房具を前提条件とするとより顕著になります。 根本的に、今これを読んでいる人で「筆記具に困っている人」は居ないと思います? だから、趣味性を重視し、「ファッション性」「万年筆を使うことによるポジティブな感情」という部分をより追及する構成になっています。

 

ステップアップしていきましょう

 私が思う『至高の3本』を段階的に紹介します。徐々に難易度(金額も含めて)が上がっていく構成になっています。

 

自分の好みを再確認しましょう

 「初心者用万年筆」で検索すると、様々な意見に触れることが出来ます。そのなかから1本を選びきれないという人に、「まず1本買ってみる」体験まで背中を押すのがこの記事の趣旨です。よって、この通りに買っても良いのですが、自分の感性で「こっちが良い」という好みが明確になるのであれば、その好みにしたがって進めるべきです。あくまでこの記事は、考え方を広げていただく事、選び方のひとつの基準、あなたが「納得できる自分の1本」に巡り合うための助けになればという願いで書かれています。

 

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 <入門>1本目 LAMY サファリ 黄軸 EFニブ

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  1本目はラミーの「サファリ」です。コレ以外考えられないでしょ!というくらいの定番品です。軸色は黄色をおススメ。字幅は極細。EFという表記もの。迷ったらまずはコレを買うべきです。ファッション万年筆として買うなら特にです。もちろん字を書く道具としても優秀です。

 

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 まずは価格。Amazonなどで上手に買えば3千円以内で買えます。デザインが非常によく、憧れの舶来万年筆(ドイツ)です。メディアへの露出が多いことも理由の一つで、極めて情報量が多いです。調べれば大抵のことがわかるというのは非常に安心です。おそらく、情報量の多さなら全ての万年筆の中でも最高なのではないでしょうか? そして、重要な性能についても十分なレベルを備えています。万年筆に興味があるという前提ならば、いつかは必ず買うモデルと言っても過言では無いので、だったら最初に買ってしまおう!と考えると、最早買わない理由が無いレベルです。

 

 お試しでブルーインク(使いきりタイプ)が入っているので、まずこのインクが使いきれるかを試すと良いです。次のステップへは最低限、このインクを使い切ってから進めるようにすると、良い目安になります。ちなみに、最初に入っているインク、これが『カートリッジ式』になります。「万年筆というツール自体を普段使いとして生活に取り込めるか」を図る試金石としても優秀な仕事をする、まさに最初の1本にふさわしいアイテムとなります。

 

↓スケルトンで遊んでも良いと思います。

 

   キャップが嵌合式(ねじ式じゃなくパッチンとはめるタイプ)であることもメリットです。主に電話対応時など、メモ用途を想定するとよくわかると思います。最初は「使う」事のハードルを下げることが重要です。鉄ペンである事もメリット。ほとんどの場合、ボールペンからの持ち替えになる事が想定されますので、固めのペン先だと違和感が少ないです。万年筆特有の筆圧不要な筆記方法を体験して、ハマって来ると気になってしまう「金ペン」に備える訓練にもなります。最初の1本なら字幅は極細(EF)が良いです。極細の表記になりますが、舶来の極細は国産の中字(M)くらいの太さがあります。この太さはバランスが良く使いやすいですし、今後の指標としても役に立ちます。

 

 インクを使い切れたら次のステップに進んでみましょう。同ラミーブランドの「ブルーブラック」のインク(瓶、びん、壜)を買ってみましょう。まずはこの色が良いです。あわせてコンバータも買いましょう。下記写真の本体に装着した赤いモノです。これが無いとびんのインクが使えないです。セットで買ってしまいましょう。サファリの良いところは、ここまで買っても買い方次第で本体含めて5千円でおさまるところです。

 

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LAMY ラミー ボトルインク ブルーブラック LYVT08936  正規輸入品
LAMY ラミー ボトルインク ブルーブラック LYVT08936 正規輸入品
  • 発売日: 2012/11/23
  • メディア: オフィス用品
 

 

 万年筆のインクと言えば「ブルーブラック」というくらいの代表的なインクで、万年筆を使って筆記することを堪能しつつ、初期装備のブルーからの入れ替えになりますから半ば強制的にペン先を洗浄する機会に恵まれます。インクの吸い取り紙というマニアックなモノが付属してきますので、こういうアイテムの体験もできます。

 

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 また、びんの形も優秀で、空いた後もとっておくと、他のボトルインクのインク残量が少なくなったときに役立つかもしれません。

 

 本体カラー(軸色)も豊富で限定色なども毎年のようにリリースされています。基本的に、好きな色選んで良いと思いますが、なんでも良いor迷うなら黄色をおススメします。いい意味で質感がチープなので、高級感のあるカラーよりも、チープ感を活かせるカラーのほうが見栄えが良いです。特に黄色はアイコンカラーみたいなところがありますので、お勧めするなら!となります。 本数が増えてくると、黒軸や青軸、赤軸などのスタンダードカラーはかぶる可能性が高いこと、サファリは値段が安い事も魅力であり、色で挑戦できるのもサファリの魅力のひとつです。10万のペンを買おうとしたときに、黒軸と黄色軸が並んでいたら、黒軸を手に取ってしまうでしょう?そういうことです。

 

 クリップも優秀で、どこにでもつけられます。ペンシース(ペンケース)とかは後で良いので(何本入れられるやつにしようかという楽しい悩みが出ます)、最初は裸でかばんの仕切り部分にでもさしておけば大丈夫です。仕組み上、ちゃんとペン先が上に向く状態になりますので、自然と適した状態での収納になります。 本体の持つ部分が三角になっていて、これは自然と正しい持ち方になる持ち方ガイドになっています。

 

 総括すると、最初の1本にふさわしい、気遣いにあふれた万年筆であるということです。

 

 ちなみにこれをきっかけとして万年筆にはまった場合、おそらく所有する万年筆の本数が増えていく事になります。しかし、この1本が無駄になることはまずありません。その気安さ、扱いやすさ(値段的にも)から、黒、青といったスタンダードカラー以外のインクを吸入され、色ペンとして第二の人生を歩んだり、そのコレクション性の高さから、むしろ増える可能性すらあるペンです。

 

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<基軸・土台>2本目 セーラー プロフェッショナルギア 黒軸 銀トリム Mニブ(中字)

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 2本目はこちら。本体定価2万円(税抜き)。ザ・ベストという万年筆です。

 ①国産万年筆である事

 ②21金ペン先を持つ事

 ③嫌味が全くない事

 という部分に絞って解説します。

  

 

 ①国産万年筆である事

 日本にはプラチナ万年筆、パイロット、セーラーという、世界で戦える万年筆メーカー(文房具メーカー)が存在します。せっかく母国で超優秀な製品があるのだから、体験しておきたいものです。舶来は舶来の魅力がありますが、1本目でサファリを買っている前提だと、サファリは「鉄ペン」ゆえ、グレードアップとして「金ペン」を体験してみたいです。舶来で金ペンを探すと非常にお値段が張ります。それと比較すると国産の金ペンは良心的な価格設定です。じゃあ、サファリからのランプアップ、差別化として、国産ペンを楽しみつつ、金ペンを体験しましょうというセレクトです。

 

②21金ペン先を持つ事

 「金ペン」だけにフォーカスするのであれば各社1万円台の超優秀な「入門機」を揃えています。これはこれで非常に魅力的なのですが、今回はあえてその上のグレードを選択します。何故か?ちょっとマニアックな「21金ペン先」が選べるからです。 現在、21金ペン先で遊ぼうと思ったらセーラーしか選択肢がありません。この時点でメーカーが確定します。また、21金ペン先は定価1万円台では選べません。

 

 つぎから各メーカの特徴のお話になります。

 

・プラチナ

 プラチナは、セルロイド製の万年筆や、木軸万年筆など、万年筆を趣味でやっていると同社の万年筆を購入する機会というのは少なくないと思います。ちなみに中屋万年筆もプラチナ系列です。

 

・パイロット

 このメーカーも多分「いつかはモンブラン」の対抗馬として選択肢にあがってくる可能性があります。カスタムというベーシックながら魅力的な機種を持っているからですね。あと一時期動画などで話題になったペン先「フォルカンニブ」を有しているのもこのメーカーです。

 

・セーラー

 セーラー万年筆の特徴のひとつがこの21金ニブになります。十分魅力的な特徴なのですが、上記2社と比較してしまうとどうしても地味な印象になってしまいます。だが、この書き味はぜひ体験したい。ぶっちゃけ、各社が割と本気出している入門機を買ってしまうと、わざわざ倍の値段がするセーラーの21金ペン買う理由が非常に薄くなってしまう。しかし、このペンは初心者~中級者向けとしては非常に良いアイテムなので、ちょっと頑張ってこのタイミングで手に入れてしまおうという考え方です。

 

 

・プロフェッショナルギアについて 

 まず形が良いです。ベスト型という、両端の丸みを切り落とした外見。コレが良いです。両端の丸みを残した形をバランス型といいますが、これは最高峰のモンブランや前述のカスタム等の外観上の個性となります。要するに、後々かぶる可能性がある為、差別化としても優秀だということです。つぎにトリム(中央のリング金具)で銀が選べること。この買い方なら銀色を買いましょう。軸の色が何色かありますが、ここは黒を買いましょう。銀トリムの黒軸。ベーシックに「万年筆」という形、雰囲気をここで手に入れます。

 

③どこでも使える嫌味の無いペン

 自宅利用なら趣味全開でも大丈夫ですが、会社での使うとなると見た目に気を使う局面もあると思います。そういう時、ベーシックな見た目は非常に良い働きをします。 何故なら、相手方を不快にする要素が皆無だからです。同様の雰囲気を持つペンの最高峰としてモンブランがあります、モンブランはブランドイメージが確立しすぎており、どうしても「値段が高い高級品」というイメージが、付きまといます。その点、セーラーのプロフェッショナルギアは、その名の通り「ギア」なので質実剛健なイメージがあることが強みです。。

 

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 ペン先もセーラーにしか無い21金ペン先。②の項目ですね。21金ながら、ペン先に銀色の塗装(ロジウム鍍金のバイカラー)ゆえ、金色のもつ高級感を残しつつ、適度な銀色で成金っぽさを低減しています。そして、ラミー(というか鉄ペン全般)を1本目で使っているならば確実に分かる書き味の「やわらかさ」。対比効果も手伝って、万年筆のやわらかい書き味を十分に体験できます。

  

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 想定用途的に字幅は中字(Mニブ)が良いです。確実に土台になる1本であり、ここが安定すると後々手を出してしまうかもしれない舶来の高いペンでちょっと冒険が出来るようになります。また、最初に買ったラミーのサファリと比較して、国産と舶来、メーカーごとの字幅の「差」を実体験できるというのも有ります。 国産の強みとして、品質管理のレベルが高いということもあり、通販で買っても比較的安心という点も強みです。

 

 ここで土台となる1本を据える事で、万年筆の会社での運用が安定すると思います。困ったときに頼れるペン。ペンケースに1本は居てほしい存在です。

  

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<発展・趣味>3本目 アウロラ オプティマ 青軸 金トリム EFニブ(極細)

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 3本目。2本目でプロギア買った時点で土台がしっかりしているので何を選んでも大丈夫にはなっているのですが、選び方の参考として挙げるとすれば、「アウロラ社 モデルオプティマ 青軸」を挙げます。何故このペンなのか?理由を解説します。

  

 

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 ①イタリア製

 ②イタリア最古のメーカー

 ③アウロロイドという同社のオリジナル素材

 ④リザーバータンクという独自機構

 ⑤本格万年筆の証である吸入機構

 ⑥エボナイトペン芯

 ⑦自社でペン先を作る稀少なメーカー

 

 このペンの特徴を並べてみました。歴史、伝統、色気、特殊性。この時点で他に代わるものが無いレベルです。いろいろありますが、やっぱり一番はこの見た目です。こういった華やかさは質実剛健のドイツ製や日本製じゃ出せないと思うのです。

 

 これも定番商品なんですけども、いわゆる「かぶり」に対して非常に強く、この価格帯のペンを買う人は、まずペリカン社のスーベレーンとか、モンブラン社のマイスターシュティックとかに手を出すのです。それらに勝るとも劣らないレベルのペンであり、あまりかぶらないマイノリティが所有欲を満たすわけです。 恐らく、直接のライバルとしては、デルタ社のドルチェビーダ(ヴィータ)なのでしょうが、あちらはコンバーター式。この買い方で、3本目高いの買うなら吸入式が良いので、ここが差別化になるわけです。

 

 ちなみに、現時点でマーブル模様系4色展開(青、赤、緑、白黒模様)されていますが、 1本目からこのエントリどおりの買い物をした場合、どれ買っても色かぶりはありません。

 

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まとめ

 ここまで購入したものの特徴をまとめてみます。

 ①ドイツ製、鉄ペン、嵌合式、チープ

 ②国産、金ペン、特殊21金ペン先、スタンダード

 ③イタリア製、派手軸、高級品、吸入式、特殊機構つき

 という感じでキャラかぶりがありません。これはみんなに出番があるということです。

 

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 これから先はペリカン社のスーベレーンの限定品に手を出してみたり、スケルトン万年筆試をしてみたり、モンブラン社のヴィンテージ買って見たり、インク沼にはまってみたり、楽しみ方を広げていくと良いと思います。

 

 どこまで突っ込んでいくかは人それぞれではありますが、せっかく興味をもたれたのですから!最初の1本としてのラミーくらいは体験してみて、「万年筆を使った」という経験を積むのがよろしいかと思います。3千円で試せる事としては非常に上質な体験だと思います。自分に合うことを確認したうえで広げていく。これで十分だと思います。

 

 

 ↓私が使っているペンケースです。ペンケースもいろいろあって悩むの楽しいです!

ステッドラー ペンケース 革製 レザーペンケース 黒 900 LC-BK

ステッドラー ペンケース 革製 レザーペンケース 黒 900 LC-BK

  • 発売日: 2011/11/30
  • メディア: オフィス用品