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爪の灯

元スーツ販売員がプロ独身貴族視点で、ファッショナブルに節約を楽しむ系のブログです。

元スーツ販売員が語る!補正(お直し)アレコレ!裾上げ料金を取る店は良い店である。お直し料金については「受益者負担」が公平かつお買い得なのだ!(2017.05.27リライト)

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 <要点>裾上げ料金とるのおかしくない?だって、やらないと穿けないじゃん?の疑問にお答えするエントリでーす。

 

 

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 【そもそも、「補正(お直し)」って???】

 代表的なもので「裾上げ」という作業がありますが、要するに「出来合いのモノを着るヒトに合わせる作業」の事です。前述の「裾上げ」を筆頭に、必要に応じて袖、腰、着丈、各種幅を広げたり詰めたりします。

 

 【何ができるの?】

 既製服の枠で論じますと、裾上げはまぁ如何様にでも。という感じですね。というか、これは必須であり、ほとんどの場合、この作業をしないと着用ができません。他に頻度が高いものとしてウエストの補正があります。詰めたり出したりで±4センチ程度の微調整ですね。そこから大きく離れて袖丈、裾幅などの調整ができます。あくまで、「微調整」というのがポイントです。

 

 【さっきから裾上げ、裾上げって、繰り返すのなんで?】

 しないと着用できない場合がほとんどだから。また、「補正料金」を考えるのに最も適した題材だから。

 

 【結論、どうしたらお得なの?】

 買ったお店でキチンと補正をするのが最もお得。

 

 【購入店での補正がお得な理由】

 何故って、ほぼ原価で補正をしてもらえるから。販売店にとって「補正」とは、商品売る為のサービスの側面が強いので、利益が乗ってない(またはすごい薄利)からである。通常、「町のお直し屋さん」で補正をお願いすると、技術料に「補償金」みたいなモノが発生する。たとえ伝票に乗ってなくても確実に。なぜならリスクがあるから。壊しちゃうかもしれないですしね。誰が作ったのか分からない、保障しようにも現物しかないのでお金での保障になってしまう。しかも定価が相手の言い値という状況。あけて(分解して)みたら生地が破れてた(揉める原因)……等々、これらのリスクに対する費用です。その点、販売店であれば、まず新品若しくはそれに準ずる品質のモノを扱うことが半ば保障されていますし、新品であれば、万が一、補正ミスをしたりしても、代えを用意できる可能性が高いという事もあります。その保証も原価ですので、これらの対リスク費用が大幅に削減できるというのが強いです。

 

 また、あくまで補正は「商品を売る為のサービス」であり、「○○の部分がちょっと気になるから買わない」の○○部分が補正でどうにかなるレベルなら、売りにつながります(例:ベンツ/ベント閉じとか。あまり良くないですけどネ)。これを目的としている部分も少なからずあります。

 

 取扱数量の差も、無視できない理由です。定期的に多量のお直しのお仕事が確保できる環境である為、これが単価を押し下げる要因となります。

 

 大まかに、これらの理由から、購入店での補正が最もお買い得となります。但し、質が伴うかはまた別の話です。※最低限度の品質は当然ながら保障されます。特に技術を売りとするお直し屋さんの存在に対するフォローです。が、ここではこれを別次元の話と捉えます。

 

 【裾上げ料金とるのおかしくない?だって、やらないと穿けないじゃない!】

 仰る通りでございます。が、高い確率で、損してます。ここでタイトルを回収します。裾上げ料金を取るお店は、むしろ優良である!と。

 

 一部のカジュアル店舗は別として、スーツの裾上げは専門の人がやる。まつり縫いという服地の表に糸が出ない縫いを行うからだ(シングルで顕著)。で、当然、この部分にお金がかかる。というか、各工程で個別料金が発生している。極端な話、ポケットが1個増えればその分コストがかかる。そして、考えるまでもなく、裾上げ料金を別途で取られないという事は、商品代金に既に含まれているというという事である。

 

 果たして、作成されたズボンは、全て売れるモノなのであろうか?

 

 通常、完全受注生産でもない限り、廃棄によるロスがでる。販売店の場合、収入はお客様の財布から出るお金である。これはどこの業態でもそうだろう。商売の基本でもある。

 

 もうお気づきであろう。スーツやズボンに補正料金を組み込んだ価格設定をした場合、このロス分を負担してしまうことになるのだ。また、「どんな補正をしてもお値段変わりません!」みたいな売り文句、非常に魅力的ではあるが、これはこのお直し料金を購入者全員で案分し、負担しているに過ぎない。タダで補正をやってくれる奇特なお直し屋さんでもいない限り、客である我々の財布から補正料金がでているのだ。

 

 どこを直すかはまさに「人それぞれ」である。よって、補正料金は「受益者負担」である事が望ましく、別途、料金を発生させ、請求することが望ましい。

 

 これらはオーダーメイドや、セミオーダーで補正料金がかからない理由でもある。生地、付属代以外でかかる費用の半分以上は補正料金と言ってもいい。ゆえに、どれだけ細かく補正をしても追加費用が掛からないのではなく、予め料金に含まれているというものが適切である。

 ※専門の人にはミシンが使える時給のおばちゃんを含む。こういう人たちは、趣味の延長でやっている場合が多いが、意外と、といったら失礼か。腕の良い場合が多い。経験上。個人的には色々細かい部分見てくれるので、大好き。

  

 

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